中学校の先生のホンネ

サラリーマンから公立中学校の先生に転職した私が、現場の実際のところや日々感じること、思うところをまとめていきます。これから先生になろうと考えている人、現場の先生がただけでなく、学校と何らかのかかわりのある全ての方に読んでもらえたら嬉しいです。

知ってもらうことの大切さ。教師が存在する理由とは?

せっかくブログを開設したので、記事を1つでも書いてみたいと思います。

最初のテーマは「教師が存在する理由」です。ちょっと重たい?笑

 ブログを開設した理由を最初の記事にまとめました。自分で読み返してみたところ、我ながら(笑)ちょっと違和感を感じたところがあります。それは、

 

「教師に限らず、どんな仕事でもバラバラな印象を持つのは当たり前じゃない?」

 

という点です。たぶんその通り(笑)。

 

ただし、教師という仕事については、ホントのところを知っておいてもらう重みがちょっと大きいのでは?と思っています。

 

なぜなら、学校(教師)を理解することは、教育を理解することにつながり、教育を理解することは、よりよい教育につながる、そして、よりよい教育は子ども(=未来の日本)を育てることにつながるからです。

 

なんせ、私のような大人が動けなくなった時、国を支えて住む場所を用意してくれるのは、経済活動をしてくれるであろう今の子どもたち。子どもがまっとうに育つことは、私の将来の不安も多少は解消してくれるはず(笑)。

 

現代、これだけ「教育」が注目を浴びるのも、こうした未来への投資という観点も大きいのではないかと思います。

 

学校(教師)が理解されない、というのは非常に危険だと思います。教師は、ヘタをすると親よりも長い時間一緒にいます。共働きの家庭は現在59%(2012年の総務省労働力調査より)にまで上りますので、家に帰っても親がいない、通称「かぎっ子」なんてザラです。それだけ親と過ごす時間が少ない、ということです。

 

義務教育期間である小学校~中学校の9年間、ヒトの人格形成(もっとも影響が大きいのは3歳までの幼少期、と言われています)をする上でも大切な時期に長時間生活を共にする教師は、とても責任ある立場にいると思うのです。

 

それなのに、家庭や地域から、親に代わって教育活動を行う学校(教師)が理解されない、という状況は非常に危ういと思いませんか?

 

ハッキリ言って、現場にいるとロクでもない先輩や後輩もたくさんいます。私自身もその一人かもしれませんし、立場や見方によってはどんなに素晴らしい人格者の方でも生徒や保護者とトラブルになることだってあります。保護者や生徒が「あの先生は顔も見たくない」なんてイヤになる気持ちもすごーくわかります。

 

だからといって、その一面だけを切り取って「教師はダメだ」「学校の怠慢が…」と吐き捨て、距離をとってしまうようなやり方は絶対に避けるべきことだと思うのです。そのリスクは前述のとおりです。

 

私が生まれる前?、先生は「聖職者」として扱われていたそうですね。保護者によっては今でも聖職者として扱われる方もいらっしゃいますが、私の体感では2割くらいでしょうか。これも地域によってかなり差があるのが実情です。この「聖職者」扱いの背景には、おそらく教育者が担う責任についての理解と認知が、当時の国民のほうが浸透していたのではないでしょうか。

 

しかし、人間というのは根本的に弱く、楽に逃げてしまう生き物です。「聖職者」とあがめられ続ければ、多少なりとも傲慢になってしまうものです(現に私も3年半、学校で「先生!」と呼ばれる生活が続いて、そうなったような気がします…)。スタンフォード監獄実験と同じです。

 

ですから、できる限り多くの人が学校(教師)の実態について知ることが大事だと思います。教師の言動が「おかしい!」と感じたら保護者や地域の方が声を上げる。ただし非難ばかりするのではなく、教育活動そのものを学校外の方が理解し、認め、共に育てる。多様な立場の人が知り、認め、正すことが重要だと思うのです。

 

子どもたちに一番身近な存在である教師。教師は子どもを育てるためにいます。子どもは将来、私たちが暮らしてきた国を背負って立つ存在です。未来そのものです。未来のことを、先生ではないからといって「(学校現場なんて、教師なんて)よくわからない」と突き放すわけにもいかないですよね。

 

正しい、正しくないではなく、今の私はこんなことを思っています。だから私は、ブログを書く。もっとたくさんの人に学校を、教師を知ってほしい。知れば、教育が変わるチャンスが生まれる。チャンスが生まれれば、変わるかもしれない。

 

うーん、「中立的に」書くことができているのかなぁ?記事1つめから、ちょっと不安になりました(苦笑)。否定も肯定もしていません。あくまで「提言」です。

 

次回は、せっかくですので「夏休みの実態」について書こうと思います。